ここではないどこか
この世を去るときに果たして僕らは「楽しい人生でした。生まれてきてよかった。」と本当に言えるだろうか?それは別に悔いの多い人生を送ってきたらのたとえ話ではない。幸せに生きてきた人生だったとして、の話だ。若い頃は結構苦労した。しかしそれでもあきらめなかった。なぜなら支えてくれた人がいたから。そして自分のやりたい仕事がなんとか軌道に乗ってきた。その過程である出会いをした。そしてそれは後に人生の伴侶となる人物だった。幸せな結婚。子供は二人。そりゃいろいろ問題はなかったわけではないけれど、のびのびと育ってくれた。子供の自立。もう自分達で家庭も持ってくれた。初孫。自分でも信じられないくらい甘い声で孫に接した。定年。妻と二人で旅行に行った。よく笑った。熟年離婚なんて別の惑星の話だった。すこしづつ意識し始める。自分が先か。それとも妻か。そして思う。悔いは無いか。本当に楽しい人生だったと笑って締めくくれるか。これでよかったのか。本当に?
今日、納骨堂を見に行く。答えはまだ出ない。